【読書記録】スキップとローファー第10巻(ネタバレ注意)

 2024年3月に読了。

 ずっと大好きな漫画で、リアルタイムで最新話を追っかけているから、もう内容は全部知っているんだけど、それでもおまけ漫画が読みたくて買った。ちなみに、おまけ漫画で山田とともえちゃんの花火大会のエピソードが読めて、とってもほんわかした気持ちになった。ヨカッタネ、山田…!!

 もう全話大好きだからいろいろ書きたいけれど、覚えておきたい言葉を2つ、書き留めておく。

だから やるしかないの

 花園先生は、突然「産休に入る」ことを生徒たちに告げる。ちなみに、花園先生は独身。それが理由で、花園先生は保護者から「進路で悩む時期なのに、あんまりに無責任だ」とクレームを受けるが、「私が謝る理由ってあなたの気が済み以外何かあります?」と真っ向から保護者に言い返した。

 元生徒会長の風上くんはその場面に偶然立ち会い、花園先生に、「意外すね。先生はああいうのサクッと謝るかと思いました」「先生はそこそこ見栄えのする年上の金持ちと結婚してとっとと仕事辞めるイメージでした」とぶっちゃける。そんな風上くんに、花園先生は言う。

正直わたしも そう思ってたよ~~~~~

それなりに要領いいって自覚あったもん

例えばお祭りだったらさ 楽しむだけ楽しんで 一番いいタイミングで帰るタイプ

がらんとした会場で他人のゴミなんか絶対片づけない

でもね そうじゃないって気づいちゃったの

だから やるしかないの

スキップとローファー第10巻から一部抜粋

「でもね そうじゃないって気づいちゃったの」という言葉。

 なんでだろう、私は花園先生と全然違う性格だし、置かれている状況も全く違うのに、不思議とこの言葉に共感した。

 私の場合は、そこそこ綺麗な格好して、そこそこ髪やメイクに気を使って、明るくケラケラ笑って、相手が言ってほしそうなことを言ってあげれば、より多くの人が、わたしを受け入れてくれる気がしてた。それが出来るようになったことが、成長なんだと思ってた。

 でも、そうじゃないんだ。わたしという人間は、そうじゃない。笑いたくない話に無理して笑う人間じゃない。相手が言ってほしそうなことを言って「あげてる」なんて思うような、傲慢な人間じゃない。

 「だから やるしかないの」

この言葉に、勇気づけらるような気がした。

人生が 後悔と喪失との戦いのように思えた時

 この言葉は、作中ではなく、作者の高松先生が、講談社漫画賞のスピーチで語った言葉だという。

 高松先生は、今回の能登半島地震で、祖父母を失ったことを報告した。それでも漫画を描き続けるという選択をして下さったことに、尊敬と、感謝と、どうかご自愛をという念を込めて、大好きな言葉を書き留めておきたい。

人生が 後悔と喪失との戦いのように思えた時

そればかりではなかったと思わせてくれる友人のような

ただ寄り添える作品になったら幸せ

スキップとローファー第10巻(作者スピーチ)から一部抜粋

 

 わたしにとって、「人生が 後悔と喪失との戦いのように思えた時」がやってきたのは、社会人になってからだった。

 すごく辛かった瞬間があった訳じゃないけれど、無理して飲みすぎて、家に帰って吐き気と戦っていた真夜中、定時で帰ってきても、空白の時間を持て余してしまった夜、仕事中ふと時間が出来て、いま目の前にある仕事に何の意味があるのか、問いかけてしまう時、かわいいね、面白いねと言われて、心から喜べない自分に気が付いた時。

 そういう時間が少しづつ降り積もっていって、ちょっとずつ、心が削れていくような気がしてた。

 でも、自分が積み重ねてきたのは、そればっかりじゃない。

 愚直に努力し続けた日も、友達とめいっぱい遊んだ日もあった。家族みんなでご飯を食べた日が、数えきれないくらいあった。当時の恋人に誕生日を忘れられて、寂しくて、落ち込んでいたとき、友達が奢ってくれたカフェオレが、すごく美味しく感じた日があった。

 それを思い出させてくれる漫画が、この『スキップとローファー』という漫画なんだと思う。

その他、好きなだけ語る

 んも~~~~~~とにかく10巻はシマスケ。とにもかくにもシマスケ。最後のおまけ漫画「ナオちゃんチェック」のところで、普段はヨユー&イケェ…なシマスケが、みつみの前ではスマートに受け答えできてなくて、ナオちゃんに結局「なんかフツーの高校生って感じかも」と最終的には評価されてしまうというシーンが描かれていて、それが好きな人の前でうまく振舞えてない、フツーーの男子のものすごーーーーくリアルな姿って感じで、とにかくよかった。

 それに、旅行の帰りの車の中で、シマスケが眠そうなみつみに、枕代わりに自分の荷物を貸してあげるシーン。そこでシマスケのほっぺたがちょーっと赤くなってる描写があって、ふわ~~~~~~~~~~~~!!!シマスケ~~~~~~~~~~!!!おまえ~~~~~~~~~~~~!!!!って言葉しか出てこなかった。

 あと、ナオちゃんとゴロちゃんの関係性もとっても好き。ゴロちゃんとナオちゃんが電話しているシーンでは、さりげなくナオちゃんを思いやる言葉がゴロちゃん側からまず先に出る、それをちゃんと受け止めるナオちゃん、そして「来年はふたりで帰らない?」のセリフがナオちゃんから出てくる。そんな二人の、じんわり暖かい、お互い信頼してる感じがすごくいいな~~~って思う。

 みつみとシマスケの今後ももちろん気になるけど、ゆづちゃんもまこっちゃんも、全部のキャラクターの今後が気になりすぎる。最新話が待ち遠しい!!

 

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